この記事はLeon RedingerさんによるA Symbol Core Value: Sound Economicsの日本語訳になります

ブロックチェーンや分散型台帳がここまで進化してくると、時にサトシ・ナカモトが思い描いた未来の核心的価値について忘れてしまうことがあります。それは、健全な経済と資本主義。
今日の社会では、「資本主義」という言葉がくすんでしまっています。政府に働きかけて便宜を求める大企業の姿や、顧客を欺いて膨大なボーナスを受け取るCEOの顔が目に浮かびます。
ですが、今日お話しさせていただきたいのは、このようなことではありません。
公正で、明確に定義されたルールを持ち、中央集権的でもなく、隠れた手数料もないルールに基づいた新経済圏に参加する自由についてお話させていただきます。数学で暗号化されて、保護されている新しい経済圏についてです。
不変の総発行枚数:
Bitcoinには、2100万枚のBTC
Symbolには、90億万枚のXYM
と、それぞれ総発行枚数があります。
発行枚数の多寡の問題ではなく、あらかじめ定められた不変の総発行枚数があるという事実が重要なのです。
BTCと同様に、XYMも中央機関やコミュニティによる投票、もしくはサトシの思い描いたことからの逸脱を企む未来の世代が現れたとしても、改変されることはないのです。
インフレーション:
サトシは、ネットワークの安全性を保つために、アーリーアダプターに報酬を与える手段として、また、固定された総発行枚数を分散して分配する手段として、ブロック報酬をビットコインコアに組み込みました。
しかし一方では、多くの暗号資産プロジェクトでは自分たちの利のためにこれらの方法を曲解し、発行枚数に上限を持たせないことをしています。
そのような暗号資産プロジェクトは、高利回りを謳い文句にトークンの購入を促します。しかし長期にわたる高いインフレ率については考慮していません。
多くの人はその致命的な欠陥に気づかないまま、誇大広告に惹かれてしまいます。需要がインフレ率を上回れなくなった時、確実に価格は下落するでしょう。インフレ率が高ければ高いほど、需要は常に増えなくてはならないのです。
需要のほとんどが価格の上昇の思惑で動いているとするならば、一度ピークに達するとその後長期に渡って下落圧が発生し、下げトレンドとなるのが常です。このように絶え間無くコインが発行されると、市場には大きな売り圧が発生するのです。
発行枚数青天井とPoSの組み合わせは、特に悪質な実装です。PoSは溜め込みを奨励し、インフレは溜め込みを苦しめます。
次の表は、今後のSymbolネットワークにおいて配布される残りのXYMに量と、Bitcoinネットワークにおいてマイニングされる残りのBTC量の予測インフレ値を表しています。